【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜


「すまない、美乃梨」

「いえ、大丈夫です」

「この埋め合わせは必ずするから」

 と車を走らせながら美乃梨にそう言うと、美乃梨は「気にしないでください。それより、急ぎましょう」と言ってくれた。

「ああ、少しスピード上げるぞ」

「はい」

 運転しながらスマホをスピーカーにしてもらい、荒井に電話をかけて内容を説明する。そして病院に到着した俺は、すぐに車を降りる。

「美乃梨、お前は院内に食堂があるから、そこで待っててくれ。終わったら迎えに行く」

「分かりました」

 俺はすぐに病院の中へと入った。すでに救急車は到着しているようだった。

「え、加古川先生!?今日お休みじゃ……」

「悪い!急いでるから!」

 小山内の言葉を遮るように走りながらそう言った。

「荒井!」

「お、加古川!」

「患者の容態は?」

 と白衣を着ながら荒井に問いかける。

「患者は40代の男性で、CTとMRIを取ると、お前の言うとおり虚血性ショックがあった。恐らく腹腔内に血液が溜まって吐血したんだろう」

「そうか。バイタルは?」

「さっき安定してきた」
< 167 / 184 >

この作品をシェア

pagetop