やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました

「は、あ? ふざけんな、知らない奴と一緒に過ごすなんて俺嫌だよ!」
 そう言ってこちらを振り向く圭太にたじろげば、すかさず河村君が別案を提示する。
「じゃあ俺の部屋好きに使っていいよ。俺が雪子(・・)の部屋に泊まるから」

 その言葉に圭太の顔が強張った。
「雪ちゃん、何なのこいつ? 彼氏いないんじゃなかったの?」
「え? えっと……」
「……付き合い出したの最近だから、雪子が気遣ったんだよ」
 先程から私の名前を呼び捨てにする河村君の言動に頬が熱を持ち、急に始まったこの応戦に仲裁の声を掛けられない。
 圭太の方も何かのスイッチが入ったらしく河村君に噛みつき出した。

「はは、なんだそれ。信用されてないんじゃん?」
「その信用を裏切ろうとしてた奴に言われたく無いけどな」
「はあ? なっ、何もしないよ!」
 急に真っ赤になって声を荒げた圭太と河村君は、お互いの隙を探り合いながら距離を測って睨み合う。
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