運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
私はしばらく固まり、動けなかった。
頭の処理が少しずつ回復すると、私はあることに気付いた。
(…でもあの感触…私、初めてではない!!…)
会社に戻ると、情報の早い京子が凄い形相で駆け寄って来た。
「め…めぐ…恵美、ランチ龍崎部長と一緒に行ったって本当なの!」
「うん…でも一緒に行ったのじゃなくてね…外で偶然一緒になっただけだよ。」
「もう…ずるいよ、私より先に龍崎部長に近づかないでね。そうだ、もう私から部長誘ってみようかな…恵美に負けないように!」
「私は別に…そんなつもりではないのに…困ったなぁ…」
そんな京子を見ながら、先ほどの出来事を思い出した。
龍崎部長にキスされたなんて京子が知ったら、大変なことになるだろう。
私は目をギュッとつぶり、顔をブンブンと横に振り、思い出したことを後悔した。