運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~

「恵美!おはよう…もう体は大丈夫なの?」

京子が会社の入り口で駆け寄って来た。
緩くアップにした髪が京子に似合っていてとても素敵だ。

「うん。おはよう京子、心配掛けてごめんなさい。今日から出社も出来るようになったから…もう大丈夫だよ。」

「よかった…営業部のみんなも、事故のこと聞いて心配していたよ…元気になって本当に良かったね。」

「うん。ありがとう!」


営業部に着くと、マネージャーが笑みを浮かべて迎えてくれた。

「鈴木さん、元気になってよかった…龍崎部長も心配だったでしょうね。」

「マネージャー、ご心配をおかけして申し訳ございませんでした。また今日からよろしくお願いいたします。」

「無理はしないようにね…」

マネージャーのいつも優しい笑顔にホッとする。
するとマネージャーは思い出したように話し始めた。

「そういえば、鈴木さんは早乙女さんとお知り合いだったよね?急に今日、お打ち合わせになってね、来社するそうだよ…龍崎部長は今日不在だよね…?」

「はい。龍崎は終日外出で不在と言っておりましたが、私も早乙女さんにお会いしたいので、打ち合わせ後に会いに伺います。」



「鈴木さん…。もう元気になったの?よかったね!」

突然、後ろから声が聞こえ、驚いて振り返った。

「…早乙女さん!お陰様で元気になりました。もうお打ち合わせは終わったのですか?」

「うん。もう終わったよ。今日は、邪魔者の龍崎も居ないから、恵美ちゃん、この後ご飯行こうよ…」

圭吾の顔が浮かび、返事に困っていると…

早乙女さんはクスッと笑いだした。

「大丈夫だよ…龍崎には僕から連絡済なんだ。怒りながら、後から来るって叫んでいたよ!」

「有難うございます。それでは喜んでお伺いします…」


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