【完】夢見るマリアージュ
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「嘘だよ…信じられないよ。
こんなうまい話あるわけない……」
帰って来てからお風呂にお湯に浸かっても独り言は止む事はなかった。 やっぱり夢かもしれない。ぎゅっと自分のお腹のお肉を掴むと、痛いし全然痩せちゃいない。
「痛………」
湯銭の中からお風呂場の鏡を見つめる。
蒸気のせいで曇っていたけれど、眼鏡をかけ直して自分の顔の造形を確認。
そこには冴えない顔をした女の姿。
「少しはマシになったとはいえ……」
確かにここ数ヵ月私は生まれて初めて自分磨きをしている。 自分磨きは、思っていた以上に楽しかった。
頑張っているという事実は自信にも繋がって、仕事でもちょっぴり自信が持てた。
少しだけ人の目を見て話せるようになった。 努力をしたら受け入れてくれる人が居る事も知った。
どれもこれも、北斗さんの隣に並び恥ずかしくない人間でいたかったからだ。