【完】夢見るマリアージュ
「お父さんほど面食いではありません。 いや…城田さんはものすっごく可愛いけど」
俺の言葉に父はワイングラスを持ち、むぅっと口を結ぶ。
「何を、私はお母さんの顔で選んだわけじゃない。」
「一目惚れって言ってたくせに」
「お母さんの向日葵みたいな明るい笑顔に一目惚れしたんだ。
そうだなあ、香ちゃんも少し昔のお母さんに似ている。
北斗、お前…マザコンだったんだなあ」
「うるさいですよ。 でも、確かに…」
似ているかもな――。 だからだったのかな
彼女と一緒に過ごす時間がこんなにも癒されて、何故か懐かしい気持ちになって
笑顔を見ると嬉しくって、何故か放っておけない。
「北斗さん、お母さまがデザートも作ってくれたんですって」
「いやだあ。香ちゃんのクッキーが上手だったから恥ずかしいんだけど…」
「すごく美味しそうですッ。それに私はお菓子作りは好きだけど、料理のレパートリーは全然ないですし!
今日ご馳走してくれたお料理、全部美味しかったです!」