【完】夢見るマリアージュ
■6■ *SIDE香* 夢ばかり見せてくれる。

■6■ *SIDE香* 夢ばかり見せてくれる。




「この私に報告が遅くなるなんて生意気なんじゃないの?」

「シーッ!岸田さんあんまり大きな声で言わないで下さい。 ここ社内なんですから」

「まッ…。口答えまでするなんて超生意気ね」

その日、お昼休みに岸田さんをランチに誘った。

ランチと言っても社内食堂ではあったが、北斗さんと付き合っている事岸田さんにだけは自分の口から言いたかった。

色々と協力はしてくれたし、口ではいくら高飛車な事を言っても彼女が実は優しく面倒見が良いのを知っているのだ。

それに、私と北斗さんの事は社内で地味に噂になっている。
あの飲み会の所為だとは分かっている。 あの日、北斗さんは私の手を取りその場を後にしたのだ。
それを同じ営業の木島さんは目の前で見た。 噂の発信源は恐らく彼だろう。

まだ全然自分に自信がないから、陰でヒソヒソ話をされると気にしてしまう。 私と北斗さん全然釣り合いが取れないって、きっと周りから言われているに違いない。

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