ふたつ名の令嬢と龍の託宣

【第5章 登場人物紹介】

【リーゼロッテ・ダーミッシュ】
 異世界転生系伯爵令嬢。もうすぐ17歳(この世界では成人済み)。蜂蜜色の髪に緑の瞳。ダーミッシュ家の養子、生家はラウエンシュタイン家。幻の妖精姫・悪魔の令嬢・救国の聖女・癒しの精霊姫などのふたつ名を持つ。緑の力を持ち、最近ようやく力の制御が上手になった。対の託宣の相手であり婚約者のジークヴァルトとの仲が、なかなか進展しないのが最近ちょっぴりご不満。趣味は異形の者の人生相談、特技は小鬼の瞳をきゅるんとさせること。一時期バストアップに成功したものの、ちっぱいに逆戻り中。守護者に聖女を持つ。託宣名はメア。

【ジークヴァルト・フーゲンベルク】
 若き公爵、無防備なリーゼロッテを前にいろいろと持て余している18歳。黒髪に青の瞳。猫舌ですっぱいものが苦手。龍の盾として常に異形に狙われているため、周囲に殺気を放ちがち。貴族たちにフーゲンベルクの青い(いかづち)として恐れられているが、領民にはとても慕われている。婚姻の託宣が降りるまではと、リーゼロッテに手を出さないよう必死に我慢中。でもリーゼロッテを膝に乗せずにはいられない。髪に触れるのはもはや無意識。耳に触ると怒られるが、その顔も可愛すぎるのでやめる気は皆無。リーゼロッテへの過保護は多分一生止まらない。託宣名はザス。

 ●フーゲンベルク公爵家の人々●
【アデライーデ】
 ジークヴァルトの姉。公爵令嬢だが騎士団に所属。
【ジークフリート】
 ヴァルトパパ。前フーゲンベルク公爵。現在は辺境伯の地位に就いて国境の(とりで)を守っている。(つま)(いのち)の脳筋なお方。リーゼロッテの初恋の人。
【ディートリンデ】
 ヴァルトママ。怒らせると怖いとの証言多数あり。
【ジークベルト】
 ジークヴァルトの祖父。故人。

 ●アーベントロート家の人々●
【マテアス】
 フーゲンベルク家の次期家令。ジークヴァルトの婚姻とともに、正式に家令になる予定。つり目に糸目に困り眉。天然パーマは将来禿()げる予定? 武術の達人でエラの護身術の師匠。最近仲の良いふたりだが、マテアスはあくまで使用人の立場を貫いている。人当たりはいいが、用意周到な抜け目ない性格。
【エッカルト】
 マテアスの父。家令業務をほぼマテアスに任せて半隠居状態。細目がやさしいおじいちゃん。
【ロミルダ】
 マテアスの母。公爵家で侍女長を務める。元侯爵令嬢だが、恰幅のいいお母さん的存在。煮え切らないエッカルトに夜這いをかけて、妻の座をゲットしたアグレッシブな面も。
【エマニュエル】
 マテアスの姉。使用人ながらブシュケッター子爵の後妻に。年齢不詳な美女。

 ●ダーミッシュ伯爵家の人々●
【フーゴ】
 ダーミッシュ伯爵。リーゼロッテの養父。ジークヴァルトと婚前交渉ダメ絶対契約を交わしている。妻のクリスタを溺愛する誠実なお方。
【クリスタ】
 ダーミッシュ伯爵夫人。おっとり系美人。
【ルカ】
 伯爵家の跡継ぎ。リーゼロッテの義弟で亜麻色の髪の天使。レルナー公爵令嬢のツェツィーリアと婚約中。まだ11歳だが、絶対に逃がさないマン。

 ●エデラー男爵家の人々●
【エラ】
 男爵令嬢。お嬢様命なリーゼロッテの侍女。父親に結婚をせっつかれるも、リーゼロッテに仕えるために一生独身でいることを固く決意。それなのにエラがいちばん普通に恋愛してる気がする。
【エデラー男爵】
 商売上手な人懐っこいお方。貴族のしがらみに嫌気がさし、男爵位を返上する手続きを進めている。エラの将来を心配中。

 ●ブラオエルシュタイン王家の人々●
【ハインリヒ】
 若き王。馬鹿真面目な性格も、受け継いだ記憶のおかげで随分と開き直れるように。ノーアンネマリー・ノーライフ。威厳ある王が板についてきたが、おっぱい星人は永遠に不滅です。
【アンネマリー】
 懐妊してからというもの、周囲から超過保護に扱われている。食べ悪阻と運動不足がもっぱらの悩み。日々育つお腹と巨乳を愛でるのがハインリヒの日課。出産予定日は秋ごろ。
【ディートリヒ】
 前王。退位してから愛妻イジドーラとともに、後宮で悠々自適に過ごしている。第4章に出てきた白テンちゃんは、ディートリヒの聖獣です(でも名前は付けてもらえてない)。
【バルバナス】
 ハインリヒの伯父。騎士団総司令であり大公。ちょっと横柄なお方。
【クリスティーナ】
 ディートリヒ王の第一王女で夢見の巫女として神事を務めてきた。リーゼロッテの身代わりとなる託宣を受け、第4章で鬼籍に。

 ●ラウエンシュタイン公爵家の人々●
【イグナーツ】
 リーゼロッテの実父。マルグリットの託宣の相手として、ラウエンシュタイン家の婿養子となった。マルグリットを取り戻すため、毎年雪解けとともに霊峰ベトゥ・ミーレ山に登っている。
【マルグリット】
 リーゼロッテの実母。龍の花嫁となり青龍の元へ行くも、リーゼロッテに詳細は伝えられていない。彼女の力がいまだリーゼロッテをマントのように覆う。

 ●バルテン子爵家の人々●
【バルテン子爵】
 ヘッダの父親。自領の特産である香草ビンゲンを愛してやまない。ビンゲンは架空の香草で、紫蘇とバジルとパクチーを足して三で割った味がする(リーゼロッテ談)。
【バルテン子爵夫人】
 ヘッダの母親。ビンゲンは美容にいいと主張。他領にも広めたいがなかなかうまくいかず。
【ヘッダ】
 バルテン子爵令嬢。東宮でクリスティーナ王女に仕えていた。大怪我を負い療養中。王女を大切に思うあまり、リーゼロッテを目の敵に。
【アルベルト】
 クリスティーナの護衛騎士だったが、王女の死後、貴族の地位をハインリヒ王から賜った。王命でバルテン家の婿養子となりヘッダと婚姻を果たす。
【東宮の料理人】
 東宮が閉鎖された後、バルテン家に召し抱えられる。バルテン子爵の指示で、とにかくビンゲンを大量に料理に投入。まともに腕がふるえないのが悩みの種。

 ●デルプフェルト侯爵家の人々●
【カイ】
 デルプフェルト家五男。イジドーラの甥で王家直轄の王城騎士をしている。ベッティの腹違いの兄。星に堕ちる者としてラスの託宣名を受ける。不在がちなイグナーツに代わって、ルチアのことを気にかける。
【ベッティ】
 カイの腹違いの妹。デルプフェルト侯爵の庶子。第4章で大怪我を負ったものの驚異の回復力を見せ、今はご褒美旅行で食べ歩きを満喫中。リーゼロッテの髪を切ってしまったので、怖くてジークヴァルトには一生会いたくないと思っている。

 ●ブルーメ子爵家の人々●
【ルチア】
 王族の血を引く少女。母の死後、平民からブルーメ家の養子に。異形の者に命奪われし定めの者として、龍からリシルの託宣名を受けた。本人は出自も託宣の存在も知らないでいる。
【ブルーメ子爵】
 ルチアの義父でイグナーツの従兄。趣味は庭いじり。

 ●グレーデン侯爵家の人々●
【エーミール】
 グレーデン家次男。イケメン貴公子で社交界きってのモテ男。嘘のつけない真っすぐな性格。すぐに退団しようと思っていたが、いまだずるずると王城騎士団に在籍中。最近マテアスと仲のいいエラを見るのがつらいなどという理由では決してない(本人談)。
【エメリヒ】
 グレーデン侯爵。エーミールパパ。ずっと母親の言いなりで過ごしてきたので、領地経営は家令に丸投げ。基本やる気なし。
【カミラ】
 グレーデン侯爵夫人。エーミールママ。早く夜会に行きたいので、義母の喪が明けるのが待ち遠しい。子育ては使用人任せで放任主義。
【エルヴィン】
 侯爵家跡取り。エーミールの兄。病弱設定は本人の広めた嘘。ウルリーケの死後、グレーデン家の不正を正すために暗躍。敵を欺くにはまず味方からということで、正直者のエーミールにはその事実は知らされていない。
【ウルリーケ】
 エーミールの祖母で故人。女帝としてグレーデン家に君臨していた。

 ●キュプカー侯爵家の人々●
【キュプカー侯爵】
 王城騎士近衛第一隊の隊長で鬼のように厳しい。ジークヴァルトの上官。王城に単身赴任中で、領地にはめったに帰れずにいる。領地経営は任せっきりなので、妻には頭が上がらない。
【ヤスミン】
 キュプカー侯爵のひとり娘。将来は婿養子を迎える予定だが、従弟が有力候補。筋肉フェチなのでひょろ長な従弟は正直趣味じゃない。騎士団の訓練によく差し入れを持っていく。好奇心レーダーが発動するとき、(はしばみ)色の瞳がきらりと光る。

 ●カーク子爵家●
【ヨハン】
 カーク家の跡取り息子。趣味は刺繍と編み物。厳つい大男で、手合わせでは豪胆な剣をふるう。惚れっぽい性格だがいまだ婚約者はいない。エラに振られるも、振られ慣れているのでもうすっかり立ち直っている。
【ブランシュ】
 ヨハンの腹違いの妹。もちもちぽっちゃり系令嬢。ショックなことが原因で目が見えなくなっている。

 ●ブラル伯爵家●
【ブラル伯爵】
 この国の宰相を務める。ハインリヒ王のよき理解者。このお方のたれ目は一度見たら忘れられないレベル。たれ目はブラル家の遺伝で、どんなにつり目の妻を迎えようと、呪いのようにたれ目の子供が生まれる。
【ニコラウス】
 ブラル家長男。そんなわけでとにかくたれ目。愛人の子供のため爵位は継がない予定。モテたくて王城騎士に。騎士団に入ったエーミールについて回っては鬱陶しがられている。アデライーデによくおしりをつねられる。
【イザベラ】
 ニコラウスの腹違いの妹。例にもれずやっぱりたれ目。気が強い系暴言令嬢。ご自慢の縦ロールはばねのごとくビヨンと跳ねる。この頃はリーゼロッテとも仲がいい。

 ●レルナー公爵家●
【ツェツィーリア】
 ルカの婚約者。ツンデレ美少女9歳。ルカの猛攻撃にたじたじになりつつ、それがうれし恥ずかし純情乙女なお年頃。最近はリーゼロッテを見習って、淑女教育に励んでいる。

 ●へリング子爵家●
【クラーラ】
 おどおど小動物系子爵令嬢。異形に取り憑かれ体質。緊張のあまりよくカミカミになる。へリング領はリンゴそっくりな果実ビョウの産地。

 ●神殿の人々●
【神官長】
 敬虔(けいけん)な聖職者。権力に興味のない事なかれ主義。王家にはつかず離れずで、青龍の意思を最優先にする。
【レミュリオ】
 盲目の若き美貌の神官。神官長の秘蔵っ子だが、第4章でリーゼロッテを攫った黒幕。いまだ尻尾をつかまれず、何事もなく神官としての日々を過ごしている。

 ●シネヴァの森の人々●
【シンシア】
 シネヴァの森の巫女。ハインリヒ・クリスティーナの高祖伯母(こうそはくぼ)だが、少女の姿をしている。平民たちの間では森の魔女と噂される。シルヴィ(いわ)く満月の魔女。
【シルヴィ・ファル】
 自称、森の番人。狼主(おおかみぬし)という謎の存在で狼ぞりを自在に操る。シンシアになかなか会ってもらえなくて、ちょっと拗ね気味。
【ラウラ】
 シンシアに仕える女性。背が高い。
【テオ】
 シンシアに仕える少年。いつもキャスケットをかぶっている。

 ●その他もろもろな人々●
【はごろもの乙女たち】
 最果ての街マルギダに住む無垢な少女たち。託宣の神事のために来た姉様(あねさま)に退魔のはごろもを着せるのがお仕事。
【長老】
 マルギダの長老。白く伸びたお鬚に長い杖をつく、ザ長老。
【リーゼロッテの世話係】
 プロ世話係。神事の旅でリーゼロッテの世話を請け負う。こころの中はおしゃべり。
【ロッテンマイヤーさん】
 リーゼロッテが幼少期にお世話になった厳しいマナー教師のご夫人。本名はアルブレヒツベルガー夫人。その正体とは……?
【洗濯三人娘】
 フーゲンベルク家で洗濯を担当する使用人。おしゃべりしつつも仕事はまじめにこなす。真ん中から左回りに、メディ、ヴァシィ、ドリィ。
【カロリーネ】
 カイ扮する謎の令嬢。ハスキーボイスな妖艶美女。メイク担当はイジドーラ。ひそかにエルヴィンとの再戦を望んでいる。

 ●異形な人々?●
【ジークハルト】
 ジークヴァルトの守護者。基本そこら辺であぐらをかいて浮いているが、そばにいたりいなかったり。天井や壁からよく姿を現す。移動時はクロール・背泳ぎ・横泳ぎなんでもござれ、座ったままでも移動できる。
 ジークヴァルトの悶々とした意識が伝わってくるので、とっととリーゼロッテとくっついてほしいと思っている。ジークヴァルトを守れない代わりに、ジークヴァルトのためにリーゼロッテを守ると心に誓う。
【聖女】
 リーゼロッテの守護者。ジークハルトには視えていて、黒髪で顔の薄いおもしろ系の聖女とのこと。
【不動のカーク】
 フーゲンベルク家に長年立ちつくしていた異形の者。リーゼロッテの護衛的存在。神事の旅には連れて行ってもらえなくて、またもお留守番。リーゼロッテの部屋を守りながら、じっと帰りを待ってます。
【きゅるるん小鬼隊】
 リーゼロッテの力に触れてご機嫌になった小さな異形たち。目がきゅるんとしてブサ可愛い。見るほどに愛着が湧くからホント不思議。公爵家の屋敷中をはしゃぎまわっているが、満足すると自然と天に還っていく。
【青龍】
 この国の守護神。託宣や神託を降ろすことにより国を導いている。そのことを知っているのは、王族・貴族・神殿の一部の者のみ。
【歴代王の記憶】
 王が受け継ぐ国の記憶。頭の中で絶えずしゃべり続けるため、ハインリヒ王は周囲の会話がまったく聞き取れない。必要な時は口々に指示を出してくる。王妃アンネマリーに触れている時だけ沈黙する。打開策として、最近ハインリヒは読唇術にハマっているとかいないとか……。
【つってけきのこ鼓笛隊(こてきたい)
 第4章でリーゼロッテの滋養となるべく、スープの具材になったきのこたち。

 ●もふもふなもふもふたち●
【マンボウ】
 クリスティーナ王女が祖父フリードリヒから賜った聖獣。大きな鶏で太眉がトレードマーク。実はアルベルトの非常食として王女に飼われていたらしい。ショックのあまりマンボウ涙目ぴえん。
【森の狼たち】
 シルヴィが可愛がる狼たち。おとなしくそりを引いたりするが、油断すると食べられちゃうかも!?
【大きな犬さん】
 シンシアの館にいるシェパードに似た大型犬。狼主からシンシアを守る。ここだけの話、ラウラの別の姿だったりする。
【黒猫さん】
 シンシアの館にいる甘えん坊の黒猫(♂)。ここだけの話、テオの別の姿だったりする。



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