恋愛計算は間違える（アルバートとテレーサ）
「・・息が・・・」

テレーサが後ろを向いてせき込み
そして近くの椅子に座り込んでしまった。
大きく深呼吸するように、肩が上下している。

「大丈夫ですか！！・」
アルが素早くテレーサの顔をみた。せき込んで顔が赤い
いつもは青白いのに、目が潤んでいた。
せきが止まらない。

「ええ、少し、休めば・・・」
「・・じゃないでしょう！」

せき込みが続いて、呼吸が苦しく
つらそうに見える。

喘息の発作か？
アルはすぐに判断した。
「医者に行かないと・・！」

「いいですか？医者にこれから行きます。動かないで！！」

アルは急いで玄関ホールから、足早に出て行った。
自分の部屋から毛布を取り、
ガレージから車を出して館の玄関につけた。
早く修理しておいてよかった。
村には医者はいない。

玄関ホールに戻ると、
テレーサはうつむいて、ハンカチで口を押えてまだせき込んでいた。

アルは彼女に毛布をかぶせ、ちょっと迷ったが
テレーサに向かって、手を出した
「立てますか？」

テレーサはしんどそうだったが、
何とか立ち上がった。
「失礼します！！」
アルはテレーサを抱き上げ、
なんとか車の後部座席に座らせた。


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