恋愛計算は間違える(アルバートとテレーサ)
<ブランシュール城・寝室・17時30分>

しばらくして
アルは温めたミルクを持って、
テレーサの眠っている客間の扉を
ノックした。
「失礼します。テレーサ様」

扉を少し開けると、
テレーサはベッドの上で座っていた。
「ミルクを持って来たのですが・・・薬も飲まないと」

テレーサがアルの方を見て、
疲れたように小さな声で言った。
「迷惑をかけてしまって・・」

アルは微笑んだ。
「迷惑ではありません。
あと、あの奥方の肖像画は、
俺が燃やしました。」

テレーサは本当に驚いたように
アルを見た。

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