王子と姫の狂おしい愛~結婚生活編~
「あぁ、椿姫様は大変だな。
実家では彩姫子様、ここでは琥珀様に束縛されて……」
「そうですね。ずっと椿姫様にべったりですもんね、琥珀様。
私達、使用人にまでヤキモチ妬いて……」
「誰も二人の邪魔なんかしないのに……
ただ……想うことは、自由だよな…?」
井高は椿姫が行った方向を見ながら呟いた。

「え……?井高さん?」
「ううん。何もない……
それより、明日はお二人の結婚式だ。最終確認があるから、リビングに来てくれ。二階堂さんが待ってる」
「はい!」

籍は早々に入れ、一緒に住んでいる二人。
ただ琥珀や琢巳、春樹の仕事の関係でなかなかすぐにできず、やっと明日できるように調整したのだ。

「もう…むやみにあんなことしないで?」
「うん…」
ソファに座った椿姫に膝枕され、頭を撫でられている琥珀。
「フフ…琥珀、可愛い~」
「子ども扱いすんなよ!お姫様」
「子ども扱いしてないわよ?王子様。
でも、年下には変わりないでしょ?」
「うるせー!三つしか変わんねぇもん!」
「フフ…そうね」
「こんなやりとり前にもしたな」
「そうね。でもやっぱり、ワガママばかり言ってる琥珀は子どもよ?」
「だって……」
ムクッと起き上がる、琥珀。
そして椿姫に向き直り、椿姫の口唇をなぞった。

「もう椿姫は……俺だけのモノでしょ…?」
口唇を塞いだ。
「ンンン……」
「ずーっと、我慢して、我慢して、我慢したんだ。
だからもう……我慢はしないって決めたんだ!
言ったよね?椿姫」
「え?」

「これからも束縛や嫉妬して…支配すると思うんだ。俺。
でも…信じて?
ほんとに純粋に椿姫を愛してるが故に、狂ったように俺のモノにしたいだけなんだ。
椿姫を傷つけたいんじゃない。
ただ、愛したいんだ。
………って!」
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