下弦の月
それからーーー。






あっという間に、その日がやって来た。






池田屋には、局長と総司と平助と永倉を含めた十名。






四国屋には、残りの幹部を含めた二十四名で行くことになった。







本命は四国屋ではなく、池田屋。





という伝令でーーー、






急ぎ、池田屋に向かったが額に傷を負った平助。




隊服も全て血まみれで倒れている総司。





局長も、返り血で血まみれ…切り傷がある。




絶対的、不利の戦況で俺達の到着により有利に傾いて。




九名を討ち取り、四名を捕縛した。






会津潘、桑名潘が到着したのは戦闘が終わってからだった。







壬生に戻る途中、




人だかりの中に……月香の姿を見つけた。





八重に寄り添い、俺と瞳が合うと。






「土方さん!」






俺の名を叫んだ気がしたが、耳には届かず。






駆け寄ろうとする身体は、八重に抱き止められていた。







きっと、この時の俺は鬼のような…






いや…



般若のような顔をしていたに違いない。
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