下弦の月
土方さんに、






「しばらく…来ない方がいいかもしれません。私が出入りすると、風紀が乱れる。って言われましたし…」






そう、言うと。






「お前が…もう出入りしたくないら、来なくていいが。そう思わないなら堂々と来ればいい。」






と、私の気持ちを察してるかのようで。






「私は…土方さんの側に居たいし、皆の側に居たいです。いつも死と隣り合わせの皆の少しでも力になりたいです。」






本当の、心からの気持ちを伝えると。






眉間の皺が消えて、






「だったら、出入りすりゃいい。また伊東さんに何か言われたら、すぐ俺に言え。釘を指してやるから。」






微笑みながら言って、頭を撫でてくれた。



私が、安心する大きな手で。












だけど、気掛かりな事も増えた。






参謀になった伊東さんの存在が、



次第に山南さんの居場所を失くしていたから。






土方さんも、近藤さん以外は誰もが、気にしている様子だった。






屯所に来ると、今までは毎回ではなかったけれど。




毎回、山南さんの部屋を訪ねるようになった。
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