下弦の月
一度だけ、会津に出立する前に斎藤さんが来てくれたらしい。





その時に、






「必ず…迎えに来る、待っていてくれ。」






そう言われたけれど、斎藤さんが迎えに来てくれた時。





労咳を患っていて、再会を拒んだ。





沖田さんの労咳が、伝染ったんだと気付いたから。





伝染してはいけないと。






その後は、労咳の悪化で松本先生の所で息を引き取った。








この話を聞いて、涙が溢れた。








彩芽は、泣かないで。と背中を擦ってくれたけれど……





涙は止まらなかった。







この時代で、




また斎藤さんに会えたかどうか…って話を聞いたのは…




まだまだ先のこと。

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