来世にご期待下さい!〜前世の許嫁が今世では私に冷たい…と思っていたのに、実は溺愛されていました!?〜




 裕一郎宅に到着してタクシーから降りた恋幸が荷物を抱えたままインターホンを鳴らすと、少しして玄関の扉が開き驚いた様子の星川が顔を出す。


「まあ、まあ……! 小日向様、そのお荷物……!!」
「おっ、おはようございます! 今日から……あの、いつまでになるかわかりませんが! お世話になります!」
「ええ、話は裕一郎様に聞いております。……そうではなくて、連絡を頂ければ私がお迎えに行ったのに……!」


 星川は「重かったでしょう? ごめんなさいね」と眉を八の字にしたまま恋幸の旅行用カバンを両手で受け取り、再度謝罪を口にした。
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