ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「それは、藍澤依織が恋々愛に危害を加える可能性が低くなったからだけじゃなくて、藍澤依織が恋々愛と向き合う準備が出来たから……その段階までいけたからなんだ」

私と向き合う、準備……。

優羅くんのその言葉に、私はそっと依織くんを見つめた。

依織くんはまだ明らかに動揺してるみたいだけど、よく観察してみればヘラヘラと依織くんを軽くあしらう草葉先生に怒っているようで。

そしてそれは、以前の暴力的な感じじゃなく、純粋に“何で教えなかったのか”といじけているように見える。

私も、依織くんも、向き合う準備は出来ている……。

あとは、行動に移すだけ。

「ありがとう。優羅くん」

私は優羅くんを見上げて笑ってみせると、優しい手に背中を押されるように一歩、また一歩と歩みを進める。

いまの依織くんなら、いまの私なら……。

きっと、二人で前に進める──────────
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