瞳の奥
「はぁ、疲れたよぉ。なんで、ガサ入れの時っていつも胃がキリキリするのよ。。」

「お疲れ。やっぱりお前が被疑者逮捕するのが一番だと今回も思ったぞ。
俺なら、被疑者を押さえつけて逮捕してたな。」

私は今、デスクで部下達の提出書類の確認を行っている。
もちろん、蓮も同じ作業。
席も隣だから、こうしてよく話すことが多いのだ。

「はい、紅茶。疲れてる時には一番だな。」

「そうね。
被疑者も犯行を認めてるし、明日には送検出来そうね。」

書類見ながら呟くと蓮も、同じ書類を見る。

「ここの欄に麗奈の名前書いたら終わりだから、俺に送っといて。」

言われた作業をすぐに終わらせる。仕事に慣れてきたと思っていても、まだまだ失敗することも多い。だから、いつも犯人逮捕後の書類確認と権認作業は蓮が見てくれることが日課になってるのだ。

前に蓮の作業終わってるなら先に帰ったら良いのではと聞いたことあったけど、
『婚約者1人が残業して頑張ってるのに、先に帰ることなんか出来るかよ。』
と言い張り、結局いつも二人で帰ることになってるのだ。
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