桜が舞い、君に出逢う。
那由多に連れてこられたのは音楽室だった。

那由多らしいなと思いながらも、

頭の中は怒りで沸騰している。

「希空」

そう呼ばれて那由多を見やると、

体に温もりを感じた。

「何、してるの。」

突然の事に驚く。

「早すぎだよ。」

(何が?質問に答えてよ。)

あぁ、でも私もあの時抱きしめたから、

別にいいか。

「お前のことを助けるとは言ったけど、今日の今だよ...早すぎ。」

そのことについて早すぎって言ってたんだ。

「...ごめん。」

「謝るのは、俺じゃなくてあの子にしなよ?」

「...場合による」

「ダメダメ。あの状況で悪いのはお前なんだから。」

「はぁ...わかった。謝る。」

「うん、それでよし!」

那由多はまた、あの時みたいな笑顔を見せた

私は多分、その笑顔に弱いのかもしれない。
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