御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜
 仁は皆が注目する中、教会に向かってゆっくり歩き出す。教会の扉から仁が祭壇の前まで進む。

 仁が前に立ち振り返る。

 ヴァージンロードの先には、ウエディングドレスを着た美しい真琴の姿。隣には、花田社長。

  この場に居合わせた者は、真琴の美しさに魅入る。

 真琴が花田社長と一歩一歩と仁に向かって歩いていく。

 仁は、真琴と出会った日からを振り返り、真琴を見つめる。

 長かった片想い。名前を知った喜び、同じ日に親を亡くした哀しみ、再会からの猛アピール、そして真琴の中に宿る愛の結晶。

 哀しい出来事もあったが、それ以上の喜びを知り、支え合ってふたりは夫婦となる。

「仁、月野さんと幸せになれよ」

 花田社長より託される愛する人。幸せにしろよではなく、あえて幸せになれよの言葉。深い思いが伝わってくる。

「はい。必ず」

 自信に満ちた顔で宣言する。

 そして、真琴を託される。

 祭壇には神父様。

 ふたりは、大勢の人の前で永遠の愛を誓いあう。

 美男美女の誓いのキスは、見惚れるほどに美しい。教会の窓からはドバイの美しい海が輝く。


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