御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜
 そう社内には数人、真琴に対してよく思っていない女子社員がいるのだ。

 真琴は、仕事が完璧でスラッとした美人さんだ。冷静沈着なクールなイメージが初対面の人には冷たい印象を与えるが、実は人見知りなのだ。

 誰とも群れないが、男性社員たちからは高嶺の花と憧れられている。

 何もかもが嫉妬される要素になってしまっている。本人には全くそのつもりはない。

 学生時代にも、同じ事が何度もあった。

 特に真琴が何かした訳ではないのに絡まれる。

 ある事がきっかけで、出来るだけ人と関わらないようになってしまい、心許せる友達がいない。

 嫌な事は押しつけられ、褒められたら嫌味を言われる。

 学生時代の思い出は、目立たないようにひっそり過ごしていた。真琴自身も元からきゃあきゃあ騒ぐ女子達に無理して合わせる気もなかったので、寂しくはあるが気に病むことはなかった。

 社会に出ても同じ状況に諦めもあった。

 真琴の唯一の味方であり、理解者の両親が亡くなった時が、本当に辛かったのだ。







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