俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

俺の小狡い交渉カードにより(…)なずなは、家政サークルによる後夜祭のファッションショーの参加を決めていた。

あの交渉の翌日、二人で五島さんのところへ行き、参加を決心した旨を伝えると、五島さんはこの上なく大喜びした。

「さっすが、彼氏ね!」と言われて、良い気分になったのは言うまでもない。

浮かれている場合じゃないんだけどね。

モデルとなったなずなは、これから学祭までに、衣装の採寸とかでぼちぼち家庭科室に顔を出すことになっていた。



しかし、楽しみだなー。

あのドレスが実際カタチとなり、その姿にお目にかかれるのが。

むふふ。忠晴から一眼レフ借りるもんね。

むふふ…。

…だなんて、浮かれてしまっている。



「まあ、ってなんだよ。ドレスって出来上がったのか?」

「ま、まあ……今はなんぼかお直ししてるみたいだけど…うん」

「出来上がったら着てるとこ先に見たいな。五島さん、見せてくれるかな」

「い、いや、どうかな…うん」

「……」



なずなの会話の歯切れの悪さに、少々ムッとする。
< 112 / 515 >

この作品をシェア

pagetop