俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「そんなにキレちゃって、酔っ払ってる?」
少し離れた場所から、ニヤニヤと揶揄い混じりの笑みを向けられる。
それを目にして、一度は噴き出した怒りがスッと鎮まった。
らしくない行動だったと、少しばかりか苛立ちながら。
「……自ら姿を晒してくるなんて、いい度胸をしてるな?」
殺気を抑えて、声が絞り出る。
だが、そこのクソヤローは「あははっ」と軽く、実に腹の立つ笑い声をあげた。
「最近、姿見せなかったね?……どこ行ってたの?ふーん?……すすきので呑んでたのに、肩にはクーラーボックス?キャンプの帰り?」
「俺がキャンプに行ってようが、おまえに関係あるのか?たいして何の興味も無いくせに」
「やだなぁ?君のことは興味あるよ?……僕にとびきりの殺意を向けてる君にはね?」
「……」
今更、否定も肯定もしないが、何故かこのクソヤローは、殺意を向けると大喜びをする。
イカれてるとはわかっていながらも、殺したいほど憎いヤツを喜ばせるなんて、癪に触るものだ。
でも、抑えようにも困るこの感情は。
ここまで来たら、抑える事はもうやめていた。