俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「おじさんっ…!」
何度叫び掛けたって、結果はわかっている。
ここで思いを切に訴えたって、おじさんはビクともするワケがない。
でも、訴えずにはいられなかった。
二人が復讐に至るまでの心境を考えると、切なくて、張り裂けそうで。
でも、復讐で手を汚して欲しくなくて。
どうにかしたくて、この状況を……。
「おじさんっ……助けてよ……」
そこで、ガクッと身体中の力が抜ける。
その場で膝をついてしまい、ベッドにもたれこむカタチとなってしまった。
堰を切ったように叫び続けたせいか、急に疲労感を感じ……。
……それだけではない。
「……おい!伶士っ」
親父の呼び掛ける声も、側にいるのに何故か遠くに聞こえている。
意識が朦朧としてきたと感じたその時、霞んだ視界の中で……俺は見た。
横たわるおじさんを照らすように、宙に浮かぶ黄金の光を…。
それに無意識に手を伸ばす。
隠しルートのトリガーを引くことが出来たと、確信した瞬間だった。
指先が光に触れたその瞬間、俺の視界は暗闇となる。
「伶士?!おい、どうした!」
「わあぁぁ!伶士殿、また!」
後は、もう任せるしかない。
俺は、信じることしかできないから。