俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜



俺の知らない人はもちろん、知っている顔の人まで。



俺の知らない人……とは言えども、おじさんの深い事情を知っている人達なんだろう。

呪いの力で何年も眠り続けていたこと、眠りから醒めて目を開けたこと自体、奇跡的なこと。

そして……おじさんの命はもう尽きるということも。

その証拠に、来る人来る人みんな喜びと悲しみの反応を同時に見せる。

おじさんと奇跡的に疎通が取れたことの喜びと、これが今生の別れとなる悲しみが拮抗するその複雑な内心を。

おじさんは、容態が悪いにも関わらず、笑顔を見せて明るく振る舞っているからか、ひどく重い空気にはならないのだが。



知ってる顔の人は……今まで出会ったお馴染みの人達だ。

元カノである神威さんや、川越さんという仲間らも駆け付けた。

真凛が連れてきたのは、事務員の制服を着た一人の女性。……そういや、育ての母がこの病院で働いているって言ったっけ。

風祭さんに伴われて登場したのは、奥様。一度お会いしたことがある、ペンタグラムの店員の星砂さんだった。

星砂さんは、堪えきれずにもう泣いていた。「今まで本当にありがとうございます。ありがとうございました」と、何度も頭を下げながら。

おじさんに救われた人達の一人なんだろう。

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