俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「…黒曜鬼が何らかの手によって消滅した。…これが意味することは『リグ・ヴェーダの周りにいた厄介なお仲間はいなくなり、彼は一人になった』デス。その事実で拍車がかかったんだと思いマス」
「はぁ…」
その事実を確信した菩提さんは、これを好機だと述べて。
『これで、何の足枷もなく、遠慮なくヤツと向き合うことが出来る…』
と、高揚気味に笑みを浮かべていたという。
その表情は、まるで悪魔が何かに目覚めたようだったと、玲於奈は不安を感じたそうだ。
それからの菩提さんは、単独行動を取ることが多くなった。
いや、前からも単独行動はしばしばあったらしいのだが、それがここ一ヶ月で目立つようになってきたのだ。
「…前から行き先不明の出張というのはありましたが、それが頻繁になってきてマス。前はよく、夜の街にボクを飲みに連れてってくれたのに、最近はどこの誰かと密会してるトカ」
「……」
…それ、もさ男の妬きもちじゃないよね。
いや、あの前置きがあるからこその不安、心配か。
綾小路さんが「良くない大人が唆してるのかもしれませんね…」と、呟いていた。
良くない大人?