マリオネット★クライシス

「いや、全く。今まで何をモヤモヤ悩んでたんだろうってくらいすっきりしてるし、ワクワクしてる。これから自分がどうなっていくんだろう、どんな曲を作っていくんだろうって」

迷いのない眼差しが、わたしにはちょっと眩しかった。

「すごいな、ジェイは。わたしは……ちょっと怖い。今の気持ちのまま女優を続けていく自信、ないんだもん。でも、他に何したらいいのか……」

境目の見えない、どこまでも続く漆黒の森と空。
さっきよりさらに暗さを増したように感じるその景色は、まるでわたしの未来を暗示しているようで、心細さが募る。

ジェイに相応しい恋人になりたい。
お荷物にだけはなりたくない。

でも、やりたいこともわからないのに、一体何ができるっていうんだろう?

つぶやきながら、重たい吐息を吐きだした――


「何をやったらいいのかわからないってことは、なんだってやれるってことだろ?」


あ……


弾かれたように視線をあげると、不敵なほどの強さを宿した瞳とぶつかった。


「いろんなことに挑戦してみればいい」

「挑戦……」

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