元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています


少しも悪びれた様子のない彼女が一体何を考えているのか私にはわけがわからなかったのだ。


「シャーロット、あなたがしたことは誘拐になるのよ?薬を使って私を無理やり連れてきて…」


「だって、お姉様がノエル様のところに行こうとするんですもの…私だってお姉様に手荒なことしたくなかったのよ?だから、穏便に済ませようと、熱愛記事をでっち上げたのに」


ぷくっと、頬を膨らませるシャーロットの口から飛び出した言葉に私は固まる。


「それじゃ…新聞社にあの記事をリークしたのは…」


「そうよ、お姉様。私がでっち上げたの」


衝撃の事実に言葉を失っている私をよそに、


「リアム様の時は簡単だったのよ?ちょっと、こっちから誘えば後は簡単に落ちてくれたわ。あんな軽薄な男、私のお姉様にはふさわしくないわ」

ペラペラと、今までの経緯をシャーロットは語りだす。


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