元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています


「けど…ノエル様のことは予想外だったわ。せっかくリアム様とお姉様が婚約破棄になって喜んでたのに…あの男、本当に昔からお姉様の近くにいて…ずーっと、目障りだったんだから!」


キュッと、唇を噛みしめ彼女は悔しそうに毒づいた。

…本当に今目の前にいるのはシャーロットなのだろうか。

そう疑いたくなるほど、私には見せたことがない表情と言動に戸惑いを隠せない。


「…でも、もういいの。エレノアお姉様が、ここにいてくれるなら。私、何もいらないもの」


「…シャーロット、あなた何を言ってるの?」


「お姉様、私とずーっと仲良くここで暮らしましょう?お姉様がいない人生なんて私、考えられないもの。他の人のものになるなんて…絶対許せないわ。ふふ、お姉様…私、後始末をしないといけないからしばらくでかけるわ。あぁ、心配しないで?すぐに戻ってくるから」


シャーロットは、張り付けたような笑みを浮かべ、再び、部屋の扉を開けると私に手を振りながら部屋を出て行った。


…後始末…?

あの子一体何をするつもりなの?


言いようのない不安が押し寄せてくるのを感じ、私は小さく息をつく。



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