君の胃袋を掴む

何にしろ、鋼のメンタルなのか愚鈍な心臓なのか分からない。友人たちが「雅宗さー、その内後ろから刺されるんじゃない?」と笑っていたけれど、それは笑い事ではないのかもしれない。

まあ誰にだって、明日死ぬ可能性はあるけれど。

「まあ良いでしょ、電話でたの妹だって言っても信じてくんなかったし」
「雅宗って妹いるの?」
「ううん、いない」

クズだ、こいつ。明日死んでもおかしくない。

「一緒にいた女の子が勝手に出て、それで怒ってた」
「絵に描いたようなシチュエーションだ……」

もう後は火を点けるだけですよ、と言わんばかりの。

< 8 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop