君が名前を呼ぶ度に。
LINE交換しましょ。
始まりは入学式だった。

雲ひとつない青空の中、私はこの高校に入学した。

体育館に響き渡る、一人一人の名前。

「富岡」

「はい」

段々と返事をしていく生徒が近くなっていく。

「糯原」

「はい」

卒業式同様、周りに聞こえるか聞こえないかくらいの返事だった。

100年近く経つ伝統のある高校。

所々壁紙が剥がれていたり、床からミシミシと音がしたり。

はっきりいってボロい高校。

偏差値が足りず、ここしか行くところがなかった。まあ仕方ないこと。

そんなどうでもいいことを1人考え、入学式が終わった。
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