聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。
舞台裏3
「……副団長! 大丈夫ですか?」
「……え、何」
「休暇申請持ってきたのですが」
――絶対におかしい。
「ああ……了解」
――あの副団長が終始笑顔だなんて。
王宮騎士団にいる普通の団員の俺は事務作業をしながら副団長・ギルバード様を見ている。
「おかしいよなー」
「はい、そうです――って! だんちょ!?」
急に声をかけてきたのは、俺の所属する王宮騎士団団長でありこの国の王子のノア様。団長なのにフレンドリーで肩を組んでくる人。
「ギル、数日前からあんな感じなんだよねーうまくいったのかな」
「うまくって何がですか?」
「もうすぐわかるよ」