明日会える、先輩に。
今日は土曜日で、部活が朝からある。
私の学校は、部活の前に掃除をするみたいだ。
「トロンボーンは、4階全体のモップがけだよ〜」
岡田先輩が声をかけてくれた。
「わかりました!」
「陽翔くんについて行ってね」
はい、って、ええっ!?
先輩がモップがけしたところを、もう一回モップがけするの!?
なんか、やだ……。
でも、顔を上げたときにはもう、岡田先輩はいなかった。
鈴木先輩のほうを見ると、先輩もこちらを見ていて、片手を軽く上げた。
ついてきてってことだよね?
私は、先輩の真後ろを、モップがけしていった。
ドキドキ、ドキドキ。
前にいる先輩をチラチラ見ながら、先輩について行った。

「それでは、パート練習に行ってください」
部長がみんなに声をかける。
私は、トロンボーンの用意をして、トロンボーンパートの練習室に入った。

「今日は、ドレミファソラシドの練習しようか」
岡田先輩が私の前に座って、お手本を吹いてくれる。
「あっれ〜?ねぇ陽翔くん、シ吹いてくれる?」
「はいっ」
先輩たちのドレミファソラシドは、力強くて、私とは全然違う。どうしたらそんなふうに吹けるようになるんだろう?
「まずはドを吹いてみようか。ドはね、1番!」
1番に合わせて吹いてみるけれど、先輩が吹く音よりも、高い音が出てしまった。
「もうちょい低いかな?」
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