You...〜私の気持ち〜 season1

3.10年前

中学1年の夏。

那『美桜。今日、友達と遊んで帰るから晩御飯いらないって母さんに伝えておいて。』

美「お兄ちゃんってば、やめてよ。1年の教室まできて大きい声出さないで。」

那『別にいいじゃん。じゃね!』

美「もー。」

さ『美桜ちゃんのお兄ちゃんってホントカッコいいよね。』

美「えっ!?」

桃『分かる!でも私は、隣にいる藤堂先輩がいいなぁ。クールだけど、笑顔が可愛くてイケメンな感じが好き。』

さ『確かに!でも、美桜ちゃんのお兄ちゃんもファンが多いみたいだよ。』

美「そうなの!?」

親友のさなと桃。
小学校から仲が良くていつも一緒で、頼りになる2人。
2人が話していた藤堂先輩は、お兄ちゃんの親友でお兄ちゃんと同じ中学3年生。
お兄ちゃんの那桜はいつも友達に囲まれてて、みんなの中心にいるような明るい性格の人。
藤堂先輩は、大人しい印象だけど仲のいい友達とはふざけたり、よく笑う人。かっこいいからファンも多い。
でも、おこちゃまな私たち後輩には興味がなさそう。


<中1の夏休み。自宅>

美「暑いー。暑くて宿題をやる気分じゃないよよー。そうだ!コンビニに行ってこよう。」

マ『みーちゃん、どこにいくの?』

美「コンビニに行ってくる!」

マ『じゃあ、那桜君にも声かけてあげて。今部屋にいるから。』

美「はぁい!
  お兄ちゃん、入るよ!
  あっ・・・」

那『どうした?』

美「あっ、あの・・・。
  コンビニに行くんだけど、何かいる?」

那『マジ!?俺、アイス食べたいな。春瑠は?』

春『俺は・・・炭酸が飲みたいな。』

那『アイスと炭酸な!チョイスは任せた。』

美「わ、わかった。じゃね。」

あ〜ビックリした。まさか藤堂先輩がいるとは思わなかった。やばいよ。どうしよう。
急に緊張しちゃった・・・でも、とりあえず、コンビニに行こう。


美「ただいまぁ。暑過ぎ。」

マ「みーちゃん、このお菓子も那桜君たちに持って行ってあげて。」

美「は、はーい。    
〈コンコン〉お兄ちゃん入るよ。」

那『美桜サンキュー。うわ!これ食べたかったやつじゃん。さすが妹!あっ。春瑠のやつもお前が好きなやつじゃん!』

春『これ好き。ありがとう。』

美「い、いえ。好きなものでよかったです。」

マ『みーちゃん!(しゅん)君来たよ。』

美「はーい。じゃ、じゃあごゆっくり。」

はぁ、緊張した。近くで見るとやっぱりかっこいい。しかも、あの『好き』のワードはヤバいよ。
後でさなと桃に連絡しよう。

隼『美桜遅い。』

美「ごめんね。どうしたの?」

隼『あのさ、明日暇?』

美「暇だけど?」

隼『あのさ、えーっと。2人で出かけね?』

美「いいよ!私映画にいきたい。」

隼『いいよ!行こう!じゃあ、明日10時に迎えに来るから。』

美「はーい。」

隼『じゃあ。』

今家に来たのは、幼馴染の影山隼(かげやま しゅん)。私のことを理解してくれてて、一緒にいても楽しくて落ち着く存在。密かに惹かれてる私。でも、付き合いたいとかはないかなって思ってる。だって、隼は私のことをそんなふに見てないから・・・。
親友止まりかなって思ってる。
明日の映画も楽しみ。
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