恋に異例はつきもので
「えー、でも……」
 部長はソファーに深く腰かけると、テーブルにおいてあった煙草を咥え、火をつけた。

「信じられないんだったら、香川に確かめてみろ。大爆笑されるのがオチだぞ。それよりお前のほうがどうなんだ。『ヤマモト』の社長とは。今日も会ってたんだろう?」
「なんで知ってるんですか?」
「電話取ったの俺だぞ」

 あ、そうだった。

「さっき、俺と香川がどうこう言ってたが、俺もてっきり、お前は『ヤマモト』の社長とくっつくもんだと思ってたから」
「ないです、それは」

「あのさ」
「はい?」
「いや、やっぱいいや」
「えー、言ってください。気になるから」

 部長は言いづらそうにしてたけど、わたしがじーっと目を見ると、観念して話しはじめた。
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