恋に異例はつきもので
 基本、そのエリアに入れるのは小学生以上の子供だけなので、部長とわたしは、大人用の待機スペースの椅子に腰かけた。

 この大人席はそれぞれのエリアの周囲に設けられていて、子供たちの遊んでいる様子がそこからよく見えるようになっていた。

 香穂ちゃんはひとりで来ていた子とすぐ仲良くなり、ふたりで楽しそうに遊んでいる。
 部長は、そんな彼女たちを、会社ではけっして見せない和やかな表情で眺めていた。

「可愛いですね。香穂ちゃん」
「憎まれ口さえ、たたかなきゃな」

 わたしはメモを取りだし、気づいた点を書き留めはじめた。
 その様子を横目で見ながら、部長が口を開いた。
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