【完結】復讐の恋〜あなたに復讐するために結婚します〜
「どういう意味?事故って何?」
「俺は……俺は……」
そこから先何も話そうとはしない和人。
「教えて……。教えて和人! どういう意味?事故って……。どういう意味よ!」
「……俺はあの時、助けようとしたんだ」
え、助けようとした……?
「助けようとしたって……」
「俺はあの時、助けようとしたんだ! 詩音のことを……」
姉のことを助けようとした?それって、どういうことなの……?
「詩音はあの時、俺の前で落ちてしまったんだ……。俺はそれを助けようとした。……だけど間に合わなかった。だから俺は、自殺と思わせるためにわざと靴を並べて、それであの遺書を……」
「っ……」
聞きたくない事実を聞いてしまった。わたしの知りたかったはずの真実が、ようやく和人の口から聞けたのに……。
わたしはそれを聞いて後悔した。そして悔しくて腹立たしくなって、涙が溢れて止まらなかった。
「……本当に悪かったと思ってる」
「なんで……。なんですぐに警察を呼ばなかったのよ……!」
「ごめん。……でも怖かったんだ。俺が疑われる。そう思ったら怖くなった……」