【完結】復讐の恋〜あなたに復讐するために結婚します〜


「どういう意味?事故って何?」

「俺は……俺は……」

 そこから先何も話そうとはしない和人。

「教えて……。教えて和人! どういう意味?事故って……。どういう意味よ!」

「……俺はあの時、助けようとしたんだ」

 え、助けようとした……?

「助けようとしたって……」

「俺はあの時、助けようとしたんだ! 詩音のことを……」

 姉のことを助けようとした?それって、どういうことなの……?

「詩音はあの時、俺の前で落ちてしまったんだ……。俺はそれを助けようとした。……だけど間に合わなかった。だから俺は、自殺と思わせるためにわざと靴を並べて、それであの遺書を……」

「っ……」

 聞きたくない事実を聞いてしまった。わたしの知りたかったはずの真実が、ようやく和人の口から聞けたのに……。
 わたしはそれを聞いて後悔した。そして悔しくて腹立たしくなって、涙が溢れて止まらなかった。

「……本当に悪かったと思ってる」

「なんで……。なんですぐに警察を呼ばなかったのよ……!」

「ごめん。……でも怖かったんだ。俺が疑われる。そう思ったら怖くなった……」
< 40 / 60 >

この作品をシェア

pagetop