【完結】復讐の恋〜あなたに復讐するために結婚します〜
「……あの日詩音から、ここに呼び出されたんだ。話があるからって。俺はその日浮気していた相手と別れるために、話をしてからここに向かったんだ」
「……え?」
和人は、浮気相手ではなく、姉を選ぼうとしていた……?
ウソだ……。そんなのウソだ……。
「だけどそれがまた、詩音を傷付けることになっていた。……詩音は怒り狂って泣きながら俺を責めた。俺は話を聞いてほしいと頼んだ。だけど詩音は怒り狂っていて、正気を失っていた……」
そう言って和人は、一筋の涙を流した。
「俺にはやっぱり詩音しかいない。そう思ったから、詩音の心を取り戻そうとしたんだ。……そして詩音は、俺をここから突き落とそうとしたんだ」
「……っ!?」
突き落とそうとした……?姉が……?
ウソよ。そんなのはウソ!和人はウソを付いている。姉がそんなことする訳ない。
だって姉は、心の優しい人だったから。だから決して、そんなことをするはずがないの……。
「……ウソはやめて!姉はそんなことするような人じゃない!」
「ウソじゃない……!詩音は、俺に言ったんだよ。死んでくれって」