コンチェルトⅡ ~沙織の章

樹が 2才になる頃 紀之は
 
「俺 樹の小学校は 受験させたいんだ。」

と沙織に言った。
 

「えっ。紀之さんは 中学からでいいって言うと思っていたわ。」

沙織は 少し驚いて 紀之を見る。
 

「小学校から 付属の子達って 特別なんだ。家もちゃんとしているし。すごく結束が固いんだ。大人になっても。だから樹にも、そういう人脈を 作ってあげたいと思う。」

紀之の言葉を 聞きながら 沙織は 優しく微笑む。
 

「そうだね。環境って 大事だものね。」

沙織は大きく頷く。
 

「沙織、頑張ってくれる?」

紀之は 沙織の目を覗き込む。
 
「頑張るのは タッ君だよ。」

沙織は声を出して笑う。
 

「小学校の受験は 母親の負担が 大ききから。もちろん 俺も協力するけど。」

紀之は いつでも優しい。

沙織は 胸が熱くなる。


紀之と樹の為に 頑張れない事なんか 何もない。
 

「全然、平気よ。私 すごい教育ママに なるから。」


笑顔が好きな 紀之の為に 沙織は 明るく言う。
 

「恐い。お手柔らかに お願いします。」

と紀之も 笑った。









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