コンチェルトⅡ ~沙織の章

「智之さんは 一からスタートだから。色々大変ですよね。」


紀之達は 迎える側だから 喜んでいられる。

でも智之達は きっと 不安も大きいだろう。
 

「そうよね。私達は 何も変わらないけど 智之達は 家まで 変わるんだものね。」

お母様も しみじみと言った。
 

「麻有ちゃんと 子供達のことは 私とお母様で サポートできるから。紀之さん。しばらくは 智之さんに 気を配ってあげてね。」

沙織は 紀之を見て言う。


麻有子が 穏やかに 落ち着いていれば 

智之を 支えることができる。


だから沙織は 麻有子を 支えようと思った。
 

「沙織ちゃん ありがとう。紀之には でき過ぎた奥さんだよ。」

お父様の 優しい言葉に 沙織は 驚いて 紀之を見る。
 

「だからさ。それは 俺が 奥様孝行 しているからだって。」

紀之は 明るく言って 沙織に 笑いかけた。


みんなが 声を出して笑う。


紀之の 優しい瞳は 沙織への 感謝で溢れていた。
 
 









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