コンチェルトⅡ ~沙織の章

「沙織ちゃんも 麻有ちゃんも 家族思いだからね。家族の心が 一つになっているから 会社も 絶対うまくいくよ。」

お父様の言葉に 沙織の胸は 熱くなる。


こんなに謙虚で。

沙織にさえも 感謝してくれる。
 

「智之 声かけてもらって 嬉しいって 言っていたでしょう。俺 もっと早く 言えば良かったって思ったよ。」

紀之は 少し しんみりと言う。
 

「いや。今だから 智之も そう思えるんだよ。智之 課長になって 3年目だろう。今の会社でも ある程度の 結果を出せたから。丁度良い 節目だったね。」

お父様の言葉は 温かくて 深い。


みんなが頷いていると
 

「紀之。ウカウカしていると 智之に 抜かれるよ。」

とお父様は言った。
 

「望むところだよ。」

と紀之は 明るく答えて みんなの笑顔が 弾ける。
 











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