Tear Flowers〜快楽は毒に変わる〜

エヴァンが診療所を見つめていると、レイモンドが「よかったら上がっていく？もう今日のカウンセリングの予約はないから」と微笑んで言い、二人は診療所の中に入ることになった。

診療所の中は、色とりどりの造花が飾られて可愛らしく温かい雰囲気だ。柔らかいソファが置かれたカウンセリングをするための部屋に二人は案内され、レイモンドが「コーヒーでよかった？」と言いながら三人分のコーヒーを用意する。

「……ありがとうございます」

フィオナはお礼を言ってカップを受け取り、ミルクを入れてコーヒーに口をつける。ほろ苦さがどこか落ち着き、フィオナは大きく息を吐いた。

「最近、診療所での仕事が忙しくて全然捜査チームの方に行けなくてごめんね。もう落ち着いたから捜査に参加できるよ」

レイモンドがそう言い、エヴァンが「よかった〜。レイモンドさんがいなくてちょっと寂しかったんですよ」と笑う。そして二人が楽しそうに話し始め、フィオナはコーヒーを飲みながら部屋をぐるりと見回した。