私の王子様は会社の社長 ~突然私は婚約者になってしまった~
婚約者になる
麗香という女性が、怒りながら去って行くと、如月社長は私の手を引いて、会場の隅に連れて行った。
「桜井さん、ごめん。先程は急に巻き込んでしまって…」
「…い…いいえ…私は大丈夫です…」
「桜井さん、お願いがあるんだ!」
「…何でしょうか?」
如月社長は、真剣な顔で向き合うので、何を言われるのかがとても恐かった…
「急だけど、僕の婚約者になってくれないか?」
「…っは?…」
「一年間だけでも構わない…。ダメかな?」
憧れの如月社長のお願いを、断ることは私にはできない。
でも、一年間だけとは偽りの婚約者ということだ。
心がズキッとしないわけはない。
「…私でお役に立てるのでしたら…」