私の王子様は会社の社長 ~突然私は婚約者になってしまった~


業務提携などで忙しくしていたが、それからあっという間に半年が過ぎていた。


今日は徹さんと私の結婚式だ。

ここはキサラギグループが新しくオープンさせた、都内なのに南国リゾートを感じることが出来る、ラグジュアリーホテルだ。
自然光を取り込む美しいチャペルがあり、これから結婚する女性の間では、かなり話題になっている。
このホテルで、式と披露宴が行われる。


披露宴は会社関係の方々をお呼びしているので、参加者は1000名にも及ぶ盛大な披露宴になる予定。
最近では、豪華な結婚式を望まない傾向があり、珍しいようだ。
披露宴は、どちらかというとビジネスの交流会のような目的だ。


ホテルの敷地内に建てられたチャペルで、間もなく式が始まるところだ。

担当の女性が、部屋に迎えに来てくれた。

私は椅子から立ち上がりながら、お腹に向かって声を掛ける。

「さぁ、これから結婚式に一緒に行こうね、ベビーちゃん。」

私のお腹の中には、徹さんとの宝物である、赤ちゃんを授かっているのだ。

「陽菜様、お足元に気を付けてくださいね…」



教会の扉が開くと、親しい人達や友人の顔が見える。
そこには、徹さんのお爺様の姿もあった。

私の姿を見て、涙ぐんでくれる父親と腕を組んで、バージンロードを進んでいく。
温かい祝福の拍手が聞こえてくる。

その先には、私の愛している男性が待っていてくれる。

もちろん、私の王子様である徹さんだ。


徹さんは、近づく私に手を差し伸べてくれている。
私はこれから、この手をずっと掴んでいくのだろう。

神父様の前で、徹さんが小声で囁いた。
「陽菜、とても綺麗だよ。僕のプリンセスは世界一だ。」

そして、そっと私のお腹にも優しく触れて微笑んだ。

「君に会えるのが楽しみだよ。愛している。」




私の憧れの王子様は、世界一素敵な旦那様になりました。
そしてもうすぐ、私達の天使も誕生する予定です。

王子様との幸せなお話は、まだまだ続いていくでしょう------。



~~~ 完 ~~~


< 74 / 74 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:31

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
夢幻惠/著

総文字数/60,021

恋愛(オフィスラブ)100ページ

表紙を見る
社長と同居しているだけです。結婚に愛は持ち込みません。
夢幻惠/著

総文字数/54,638

恋愛(オフィスラブ)82ページ

表紙を見る
御曹司様はあなたをずっと見ていました。
夢幻惠/著

総文字数/75,497

恋愛(オフィスラブ)112ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop