今日も君に恋焦がれるⅡ
琴音はわたしにバッグを持たせると、背中を押して手を振る。




「…お疲れ、」


と声をかけて、葵くんの元へと向かう。





だけど、今日から葵くんの部署は残業のはずだ。



なのに、どうしてここにいるんだろう?…





そんなことを思いながら葵くんに近づくと、わたしに気づいた葵くんが笑顔になる。




「もう帰れる?」


「あ、うん…」


「じゃ、一緒に律の迎え行こ」




と歩き出す葵くん。



「葵くん、残業は?」
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