凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました～臆病な彼女を溶かす溺愛初夜～

「明日明後日と休みなんだ。せっかくだから食事でも、と思ったけど、ふたりとも昼食を食べたばかりだしな」

　食事に連れて行こうとしていたのだと知り鼓動が忙しくなる。

　私としても、お土産をもらって、解散、という流れは失礼だろうと考えていた。

　しかしどこかに出かけたら、こうして隠れてコソコソしている意味がなくなる。どうしようかな。

　もうすぐ十五時。時間的には甘いものを欲するところだ。

「椎名さんって甘いもの食べられますか？」

「普通に好きだよ」

　即答されて、クールな見た目なのに甘いものが好きなんて可愛らしいな……と和む。

「近くに隠れ家的な居酒屋があるんです。居酒屋といってもランチ営業をしているし、カフェメニューもあるので行ってみませんか？」

　さっき朱莉ちゃんと話をしたばかりだったので、例の居酒屋が真っ先に思い浮かんだ。

「へえ。そんな場所があるなら行ってみたい」

　椎名さんが興味を示してくれたので、ホッと胸を撫で下ろす。

　朱莉ちゃんは母親と冷戦中だし、この時間から個人が経営している居酒屋に立ち寄る空港スタッフもいないだろう。

　ナビゲーションを設定するまでもないので、私が道順を口頭で説明しながら、十五分ほどして件のお店に着いた。