凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 返事を保留にしたのだから、付き合える可能性は残されている。ここは慎重にいかなければ。

 そう自分に言い聞かせて、もっと彼女の内側に踏み込みたい気持ちを抑えつけている。

 沖縄での一夜から一週間だ。『俺とどうにかなるなんて絶対にありえない』と断言していた彼女が、どうにかなろうと検討している。それだけですごいことだと思う。

 だけど、『警戒はしていませんよ。椎名さんを信用しているので』という一見嬉しく感じる言葉が、新川さんを意識すればするほど胸をざわつかせる原因へ変化した。

 だらだらと時間をかけて近づいたらなにかの拍子に逃げていく可能性があると判断し、早めに気持ちを伝えようと決心したのだが。

 さすがにあれはないよな……。

 ムードもなにもない、人の気配があるあの場所で告白するつもりではなかった。

 俺と一緒にいるところを誰にも見られたくないという彼女の気持ちが嫌というほど伝わり、焦燥感に駆られ、想いがついて出たのだ。

 結果としてよかったのかどうかは、いまだによくわからない。
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