凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 彼女は明日遅番勤務のあと二日間休みで、俺は二フライトしたのちに大阪ステイ、明後日は三フライトだ。

 明々後日から二日間休みなので、一日だけ新川さんと休みが合う。

 食事に誘いたいところだが母親が入院したのだから不謹慎だし、見舞いの送迎を提案してみようか。

 今後の予定を立てながら、パイロットは不規則勤務だがグランドスタッフとならそれなりに休みが合うなと感じた。

 途中コーヒーをテイクアウトして休憩を挟みながら時間をやり過ごしていると、一時間と少し経ってから新川さんがやって来た。

「お待たせしました」

「全然待っていないんだけど、もういいのか?」

「はい。急性のメニエール病だそうで、気分がとても悪く話をするのも辛そうでした。入院診療計画書などに目を通しサインをしたので、ひとまず今日のところは大丈夫です。母のマンションに行って荷物などをまとめて明日また来ます」

 まだ症状が落ち着いていないが、母親の顔を見て安心したのか幾分顔色がよくなった気がする。

「メニエール病か。症状が出たのはこれが初めて?」

「初めてです。だから母もすごく不安になって、娘に電話を……と、救急車で言っていたらしく」

 そこまで話して新川さんは唇を引き結ぶ。
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