凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「ごめんなさい、話を戻しますね」

 面食らっているうちに新川さんは自分で話の軌道修正をした。

「沖縄で初めて言葉を交わしてから、日を追うごとに椎名さんを意識して好きになっていました。でも付き合うのが怖くて、踏み切れなくて」

 言葉が途切れたタイミングで俺もシートベルトを外し新川さんの方を向く。新川さんは最初から綺麗だった姿勢を改めて正した。

 こうして相手と真っ向からぶつかろうとするところが好きだと思う。

「椎名さんは毎日連絡をくれましたよね。すごく嬉しかったし、満たされているのを実感していました」

 自分が希望する頻度で連絡ができなかったと悔やんでいたが、喜んでもらえていたと知って安堵する。

「そこで今日の出来事です。こんなふうに大切にされたら、もう気持ちを誤魔化せません。それに、椎名さんに寄りかかっても大丈夫なんじゃないかと思ったんです。椎名さんとだったら、自分を見失わず強くあれるような気がします」

 胸を鷲掴みにされたような圧迫感があり、ふう、と小さく息をつく。

「まいったな。新川さんに比べて自分の告白が情けなくて、思い出すのも恥ずかしい」

「恥ずかしい?」

 オウム返しした、キョトン顔の新川さんに苦笑する。
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