凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 私がマンションに着いてから三十分もせずして虹輝さんは帰宅した。

 飛び跳ねるようにリビングから出て玄関で出迎えると、虹輝さんは目元をやわらかくして微笑む。

 虹輝さんのマンションで待っているとメッセージを送り、それに対して短く【わかった】とだけしか返信がなかったので、笑顔を見て胸を撫で下ろす。

 よかった、迷惑ではなさそう。

「菜乃、風呂には入ったか?」

「まだです」

 ビジネスバッグを床に置いた虹輝さんが、覆い被さるように抱きついてきた。

 私がシャワーを浴びていたら、きっとここで抱きついたりしなかったのだろう。疲弊しているにもかかわらず相手を思いやれる彼に心が温かくなる。

「やっと今日一日が終わったんだ、って、菜乃の顔を見たら力が抜けた」

「大変でしたね……」

 大きな背中を労わるように撫でる。

「一緒にシャワーを浴びないか? このまま菜乃にくっついていたい」

「それだと身体が洗えませんよ」

 真面目に返してみたが、虹輝さんの声は真剣そのもの。
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