凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 オフィスでの公開プロポーズに始まり、貧血症状が改善されるまでの配置換えなど、周りにたくさん迷惑をかけてきた。今後収得する産休、育休もそう。もっともっと人の手助けを必要とする場面が増えるだろう。

 そして極めつけがこのロビー挙式だ。

 多忙な航空関係者たちがなんとか予定を調整し、私たちを祝うために集まった。都合がつかなかった同僚たちは、休憩時間などを利用して持ち場からここへ猛ダッシュしてきてくれている。

 だからドレスやスーツ姿の中に、制服姿がちらほら見える。それもまた私たちらしい結婚式でいいじゃないかと思う。

 最初は迷惑がかかるから親族だけでやった方がいいんじゃないか、と吐露したのだが、虹輝さんは『祝いたい人間がたくさんいるんだから祝ってもらおう』と、私の不安心を笑い飛ばした。

 まだなんでもひとりでやってしまおう、という人に遠慮する気質は直らないけれど、少しは甘えることを覚えた気がしている。

 虹輝さんのおかげで周りを頼っていいのだと肩の力を抜けるようになったし、だから父親にも無理なお願いができたのだ。
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